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お雑煮にまつわる文化

日本人の9割以上がお雑煮を食べている

お正月に食べる定番の料理と言えば「お雑煮」ではないでしょうか?

お持ち大好きな私としては、お雑煮を食べないと1年が始まらないような気さえします…

今回は、「なぜ正月になるとお雑煮を食べるのか」についてです!

 

なんと、ある統計では

日本人の90%以上がお雑煮を食べている

とされています。

「お正月」という行事の認知度はほぼ100%で、ほかの行事と比べて非常に高い値になっています。

次に「毎年食べる」人は、全国平均では90%を越えているそうです。

これほどまでに高い行事食はなかなか無いのではないでしょうか。

正月にお雑煮を食べるという習慣は、日本人の生活に深く根差していると言えます。

お雑煮の歴史は古く、平安時代からすでに食べられていたと言われています。

 

当時、お餅は農耕民族である日本人にとって、「ハレの日」に食べるおめでたい食べ物でした。

里芋やお餅、にんじん、大根などを、その年の最初に井戸や川から汲んだ若水(わかみず)と、新年初めての火で時間をかけて煮込み、元日に食べたのが始まりだと言われています。

室町地代には、宴の最初に食べる縁起の良い料理としてお雑煮がふるまわれました。

さまざまな具材を煮合わせて、煮雑ぜ(にまぜ)たことが語源となり、お雑煮と呼ばれるようになったと言われています。

白みそのお雑煮

 

お餅の意味と丸餅、切り餅

お雑煮の具には、お餅が欠かせません。

これは正月に年神様(正月にやってくる神様)をお迎えするために、

前年に収穫したお米から作った餅をお供えし、そのお下がりとしてお雑煮を頂く、

ということから始まったといわれています。

昔の人は、お雑煮を食べる際、旧年の農作物の収穫が無事であったことに感謝し、新年の豊作や家内安全を祈っていました。

このようにして、お雑煮は正月に欠かせない料理となり、農耕民族である日本の文化に、深く根付いたとされています。

餅はよく伸びるため、長生きの象徴とされています。

中でも「丸餅」は、家庭円満を意味しています。

一方、のし餅を切った角餅は、敵をのす(倒す)ことと、土蔵が建つことから家が栄えると言われています。

形の境界線は、天下分け目の合戦と同様、関ケ原と言われ、今もくっきりと丸餅と切り餅に分かれているそうです。

江戸時代は、日本人の人口が江戸に集中していたため、手でひとつずつ丸めて作る丸餅よりも、のし餅を切ることで量産ができる切り餅、角餅が作られていたと言われています。

元々は、お供えした鏡餅の形からきた丸餅で召したので、文化・歴史の古い地域は丸餅が多いとされます。

また、美味しいもち米の収穫できる地域は、伝統的に餅つきを行って食べる風習の名残があります。

餅つきをすれば、そのまま手で絞って丸く餅をちぎり、そのまま汁粉や雑煮にしたり、きな粉や餡をつけて食べられるので、切り餅よりもまる餅を食べる地域も見られます。
お餅について書きましたが、昔はお餅の原料であるお米が高く、庶民はなかなか手に入れることができなかったため、入っていなかったことも多かったようです。

その代用品としては、里芋が多く使われていました。

その名残として、今でも材料として入れられているようです。

 

神様と一緒に食べるお雑煮

また、お雑煮を食べるときは、両端が細長くなっている祝い箸というものを使います。

これは大皿から料理を取る「取り箸」と、実際に口に運び食べる「食い箸」を意味しているわけではなく、

一方を人が使い、もう片方を神様が使う「神人共食」を表しています。

そのため新年の初めに使うことも多く、とても縁起の良い箸とされています。

 

お雑煮は、伝統的な日本料理であり、収穫された農作物を、家族たちと大切に分かち合って食べることで、神様からご加護や恩恵を受けて、豊作や家の繁栄を願い、1年の無事を祈りました。

だから、お雑煮は、地域や家庭ごとのルーツが反映されたバリエーション豊かな行事食と言えます。

 

 


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