イスラム世界の特徴的な習慣【ラマダーンرمضان】②
私もラマダーンの時期に中東地域に旅行をしたことがあります。
ムスリムの方は勿論、食事や水もとってはいませんでしたが、ショッピングモールのフードコートに大きなパテーションで仕切られた、「非ムスリムのエリア」がつくられていました。
公の場所では、私も水分の摂取にも気をつけていましたが、その中では、ラマダーンは関係なく普通に食事がされていました。
中東は砂漠気候ですから、日中の日差しは暑いと同時に痛い感じがします。
日差しの強い時間に働くことよりも比較的涼しい日没後に働く方が合理的で効果的だと思います。
そんなラマダーンについての第2回目です。
断食の種類
ラマダーン中の断食は、すべてのムスリムに課せられている義務(ファルド)です。
ラマダーン中に、もし断食をやれなかった時には、後日これを埋め合わせしなければなりません。
また、ラマダーン月以外の断食は義務となってはいません。
個人的に行なう任意の断食はあまり長期間やってはいけないと注意されています。
断食をする時間は、夜明け前(太陽の昇る約二時間前)から日没までの間です。
この時間内には、飲食や喫煙、および結婚している者は肉体関係を禁じられています。
さらに、口に入れたものを噛んだり、のみ込んだり、または口や鼻から薬を体内に入れることも断食を破ることになります。
正当な理由(病気、旅行、月経の徴候)がないのに、断食を破ることは、重大な違反行為になります。
断食を破った一日を埋め合わせるためには、六十人の人に食事を供するか、六十人の人に慈善をほどこすか、または自分で六十日間断食をするかしなければなりません。
ラマダーン中の定められた日に断食をしなかった者は、たとえどんな理由があったとしても、後日に同じ期間の断食をしなければならないとされています。
日没後の食事、イフタール
陽が沈むとすぐに、軽い食事をとって、その日の断食を終了することになっています。
この夕方の断食明けを「イフタール」といい、その後でマグリブ(日没後の礼拝)をしてから各人の好きなように充分な食事を摂ることが出来るようになります。
夜の明けないうちに、もう一度、食事をするのが普通です。
この食事は、東の空が白みはじめる暁の時刻より、二十分前に終了しなければなりません。
つまり、日の出の時刻より、約一時間四十分前までに食べ終ることになります。
この食事は、スフールと呼ばれ、何を食べても良いことになっています。
日没後に配られるお弁当
ラマダン時期であっても、断食をしなくてもよい場合もあります。
断食をしたら、健康上重大な影響があると見られるような病人は、病気が治るまで断食を延期し、後日病気が回復してから、休んだ期間だけ断食をすればよいことになっています。
また、旅行中の者は、旅行中だけ特別に断食の勤めをしなくてもよいことになっていますが、旅行が終ったあとで、同じ日数だけ断食して、埋め合せしなくてはなりません。
イスラム社会では、貧困者が放置されないように気を配ることは、すべてのムスリムにとっての重要な務めです。
断食の目的の一つには、飢餓や困窮とはどんなものかをムスリムに体験的に認識させることにあります。だから、ラマダーンの月に慈善の施しをすることは、目的に強く繋がっていて、人は余裕のある範囲内で、出来るだけ多くの慈善をしなければなりません。
ラマダン時期のお祝いムード
ラマダン期間中は、「良いラマダンを」「恵み多いラマダン月おめでとう」といった意味である”Ramadan Kareem(ラマダンカリーム)”と声を掛け合っています。
1ヵ月間のラマダン期間が明けるとお祝いムード一色で「イード・アル=フィトル」という大祭が行なわれます。
イスラム教徒たちはこのお祭りで、強さと恩恵を与えてくれたアッラーに感謝し、ラマダンによって神により近づいたことを願います。
イスラム教徒にとって修行のひとつでもあるラマダンの断食には「サウム=斎戒(欲を戒める)」の意味があり、自身を清めて信仰心を強めることが出来るとされています。
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