フランキンセンス、古代から親しまれてきた神秘の香り

オマーンのサラーラに行った時に

市場でよく見かけたのが四角いエキゾチックな香炉です。

陶器で赤を基調にカラフルに彩られた香炉は、もうそれだけで異国情緒いっぱい。

そしてそこでいつも焚かれていたのがフランキンセンスでした。

 

 

当店で扱っているお香の中でも、よくお問い合わせいただくのが

フランキンセンスを使った香り。

 

メジャーな香料がゆえに詳しく触れる機会が少なかったのですが、

改めてその香りについて知っておきたくなりました。

 

 

 

フランキンセンスの香りと効果

フランキンセンス、

「乳香」、ラテン語では「オリバナム」とも言われます。

اللبان （al-lubbān）がその語源で、لبن（laban)、ミルクから派生したといわれています。

 

乳香樹の樹皮に傷をつけ、その際に分泌される樹脂が乳香です。

徐々に空気に触れて固まります。

大体2週間ほどで私たちがよく見かける黄色or白色に変化します。

乳香。固まったものを採取します。多くは黄色がベースになっています。

 

乳香の樹脂。

 

 

【香り】

清涼感と温かみが共存している香り

時折、ピリッとした辛味も感じられます。

 

【こんな時におススメ】

心を落ち着かせる

魂の浄化

集中力UP

呼吸を楽にさせる

 

古くから瞑想に用いられてきた香りなので、

「集中」「鎮静」がキーワードになります。

 

＊

 

産地はアラビア半島。

アラブのお香とも深いつながりのある香りです。

精油での使用でもなじみ深いですよね。

 

 

 

かつては金と同じ価値だった乳香

今では同等というには難しいですが、かつてはそれほど重宝されていたのだそう。

というのも、乳香の樹脂のものとである乳香樹は栽培して増やすことが困難で、

しかもその樹脂の性質は産地や環境によっても大きく変わってくるらしく、

加えて宗教や文化の中で需要が大きかったこともあり、

重宝されていたのですね。

乳香が採れる場合はその土地の特産物になっていました。

 

 

＊

 

 

乳香の歴史は長く、

古くは古代エジプト時代であったといわれています。

当時乳香は「太陽神ラーの汗」と考えられ、日の出とともに焚かれていました。

 

他にもローマ時代では神殿などで祈りの儀式の際に、

キリスト教ではイエスの誕生の際に捧げられたもののひとつに乳香があったり、

現在でも正教会では頻繁に焚かれていたり…と、

「祈り」の場面に深く関わりを持っていました。

 

清涼感と温かみが共存している香りは幸福感やリラックスをもたらしてくれそうです。

 

 

 

乳香の名産地で創設された香水ブランド、アムアージュ

オマーン国王陛下の命によって創設された香水ブランド、AMOUAGE。

世界一高価な香水としても有名です。

フランスの有名香料メーカーと合同で香水を制作しており、

世界中でショップを展開しています。

 

香水を作るときのベースのひとつとなっているのが乳香。

乳香は香りの定着材として多くの香水に使われていますが、

AMOUAGEで使用しているのはオマーン産の良質なもののみだそうです。

 

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「世界で一番高価」な香水がオマーンにある？？

 

オマーンの南部では「乳香の土地」として世界文化遺産にも登録されています。

地域の名産物として大切にされています。

 

 

 

アラブでは食用としても

アラブでも一部では食用としても使われています。

 

初めて食用だと聞いたときはかなり驚きましたが

（お香、精油でしか使わないと決めてかかっていました）

 

産地で有名なサラーラに行ったとき、

「胃腸にいいんだよ！」と勧められ一度食べたことがあります。

 

ガムのように噛んでいると、確かに胃のあたりが

スーッと清涼感ある感じになってきます。

お世辞にも「おいしい」なんて言えませんが…

でも”効いてる感”はあるお味でした。

 

口にできる品質の乳香はかなりハイグレードのもののみだそうです。

色もよく見かける黄色ではなく、白っぽさが目立つものでした。

市販の乳香のほとんどが食用ではないと思われますので、

お気を付けくださいね。

 

 

 

 

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