易経について【八卦・六十四卦】
八卦
「易経」は四書五経の筆頭にあげられる儒教の経典であり、また多くの学者によって解釈がなされたことで、占いの書にとどまらず、帝王学の書、学問の書、哲学・倫理の書という多彩な分野に用いられてきました。
その中心となるのは、陰陽二つの元素の対立と統合により森羅万象の変化法則を説くという思想であることは既に触れたとおりです。
「易経」において、才能は「陽」、徳が「陰」として、このバランスを欠くことのないようにしなければならない、とされています。
才能を伸せば伸ばすほどに、徳を積むことが求められる。
木で言えば、幹や葉が茂れば茂るほど、根を張る必要があることに例えられています。
徳の心とは、恕・仁・愛・思いやり・感謝等で表現され、この心を持って実践行動を行うことに他なりません。
次に四象(老陽・少陽・老陰・少陰)にわかれ、さらに分裂して三本の爻(こう)からなる八卦になります。
乾坤
この「八卦」に至るまでのプロセスは前に触れました。
八卦は乾にはじまり、坤でおわります。
乾は天を意味し、坤は地を意味しています。
「八卦」を用いることで森羅万象に対して、現在の局面にどう対応するのが良いのかの判断材料にすることが出来るものであるとされています。
このことは、プラス思考で生きることで、最悪の局面であっても、次に良くなる局面が来ると考え、よくなるためのステップであると思えば道は開けることになります。
自分の想念を徹底的にプラスにする楽天主義に他なりません。
そして、中の理論を活用すると、矛盾するもの等も抱え統一して進化をするため、待つ時間が必要になり、根気良く待つ力、つまり忍耐力が必要になるとされています。
このことは、思い通りに運ばない局面の時,変化するまで待つ力が必要になることを説いているように感じます。
「鳴くまで待とうホトトギス」の心境や「継続は力なり」の言葉で言い表せます。
人生に置き換えると、早く苦境を脱したいと焦っても仕方がない。
冬はしっかりと準備を整え、
春という「時」が来てから行動を起こす。
それが一番の近道、最善の道と理解できますね。
六十四卦
『易経』は、詰まるところ、八卦と八卦を組み合わせた六十四卦(六十四種類の卦)について、述べられた書物です。
八卦は「天・沢・火・雷・風・水・山・地」の八原子からなります。
こうした万物の原子である八卦を2つ重ねて掛け合わせることで、この世のあらゆるものを表現する手段が確立されました。
例えば、天×天=乾、地×地=坤、水×雷=屯、という具合に六十四個の卦にはすべて名前が付けられており、これが六十四卦の成り立ちとなっています
こうして八卦という万象の原子に基づき六十四卦が生み出されたことにより、この世のあらゆる事象を詳細に表現できるようになりました。
中国や日本の戦国時代においては、軍師が易を用いて戦況を予見していたというのも有名な話です。
あらゆる災いを未然に防ぎ、あらゆる争いを未発のうちに解決することができる手段として、万物の事象を表す易は古くから重宝されてきたという史実があります。
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