イスラム世界の特徴的な習慣【ラマダーンرمضان】①
断食(ラマダーン)
イスラム教には「断食(ラマダーン)」という習慣があります。
ムスリムには日の出から日没まで断食をしなければならない月があるのです。
1ヶ月間、完全絶食ではなく、日没から日の出までの間に1日分の食事を取り、それ以外の時間帯は一切口にしないというものです。
しかし、非常に厳格化されているというわけではなく、妊婦や病人、乳幼児などは断食を免除されています。
筆者は実際にラマダン時期にアラブ地域に滞在したことがありますが、「食べられない苦しい時期」ではなく、制限を楽しみ絆を深くする、という雰囲気があると感じました。こちらでも紹介しています。
スルターンカブースグランドモスクの内部:オマーン、マスカット
イスラムの五つの柱
(1)信仰の告白(シャハーダ)です。アッラーの唯一の神と認め、アッラーへの服従を言葉で表明することです。
(2)一日五回の礼拝(サラート)を通して、アッラーとの繋がりが強くなり、愛を深め、アッラーへの崇拝の念を表します。
(3)断食(ラマダーン月のサウム)
(4)喜捨(ザカートとサダカ)は、貧しい人々や、救済必要者への、年一回の義務的施しを言います。それは、決して見返りを期待せず同胞に自分の財産を分け与えることで、アッラーへの愛を示し富と財産を楽しく使うことを理解する行為です。
(5)メッカ巡礼(バッジ)は、あらゆる偏見から身を清め、国籍、人権、社会的な相違などは何の意味もなく、真実の信仰と正義だけが、人間としての価値の本質であることを感じることが目的です。イスラーム教徒は十分な健康と経済的に許す限り、一生に一度メッカのカアバ神殿に巡礼しなければなりません。
純粋な服従の行為
断食の意義はアッラーへの完全な服従の気持ちを強めることにあります。
アッラーという主権者によって、天然資源や人間に様々な能力という贈り物を与えられたことで、私たちは生計を営むことが出来るという概念が根底にあります。
だからこそ、アッラーが一定の期間中、飲食物や他の欲望を満すことを控えるように命じられるなら喜んで従うという姿勢です。
コーランには
「信仰する者よ、なんじら以前の者に定められたように、なんじらに斎戒が定められた。おそらくなんじらは主を畏れるであろう。」(第二章 雌牛 第一八三節)
とあります。
以下はその解説になります。
断食によって、多くの恩恵を得ることが出来ます。
第一は自制心、欲望の節制および習慣の柔軟性です。
飲食や喫煙または夫婦関係で欲望を満しすぎると、わたしたちは欲望の奴隷になってしまいます。
断食によって、人はこれらの欲望から逃れることが出来、飢えや渇きという貧困者の不幸を身をもって自分のものとし、彼等に対してより同情的になることが出来るようになります。
また、断食という精神的行為を通じ、世界中のムスリムと一体感を得て、友愛の感覚が増すことに繋がります。
医学的にも断食には、血液中の脂肪分をとり、腸内の細菌や尿酸の有害な動きを押えるなど、健康上の効用も多くあるとされています。
「ラマダーン月に断食し、アッラーの恩恵を求めるものは、過去の罪はすべて許される」とされてもいます。
ラマダーン月(断食月)はいつなのでしょうか?
ラマダーン月は、イスラーム歴の第九番目の月にあたりますが、イスラーム暦は月の周期をもとにした太陰暦であり、太陽の周期をもとにした太陽暦とは違います。
また、ラマダーン中には毎日が断食の日となります。
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