「鼻」に纏わる日本神話の歴史考?②
鼻から小豆
遺体となったオオゲツヒメの頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、下半身から麦、尻から大豆が生え五穀が誕生しました。しかし神殺しによって生じた種は穢れているためにそのままでは栽培に使う訳にはいかず、そこでカミムスヒがその種を取って、栽培に適した種に変えたことで、地上に農業が始まったとする説もあるそうです。
過去には日本の稲作が、朝鮮半島から伝わったとされていた時代もありましたが、最近では遺伝子研究なども進み、日本列島では縄文時代から稲作が行われていた事が明らかとなっています。
このような記述もありました。
縄文時代に、土偶や土器に姿を表現され崇められた女神がその前身だが、女神像だったと思われる土偶のほとんど全てが、破片の状態で発見されることから、縄文時代の人々が、土偶を作っては壊すことで、女神を殺してその体から作物を生じさせようとする祭りを繰り返していたことが想定できる。
また料理に使われた深鉢形の土器の中には、口の縁に土偶の顔とそっくりな顔の付けられたものがあり、土器そのものが土偶に表されたのと同じ女神の像であるようにみえる。もしそうなら、これらの土器の中で料理された食物を口にするたびに、当時の人々はまさしく、土器に表された女神が、体から出して与えてくれるものを食べていたことになる。
つまり縄文宗教の主神だったこの女神は、体から食物を惜しみなく出して与えてくれる一方で、殺されてはその死体が作物などの発生の母体になると信じられていたので、オオゲツヒメや『日本書紀』の神話の保食神らは、明らかにこの縄文女神の性質をきわめてよく受け継いでいる。
地理と小豆
阿波は先に記載した通りですが、”小豆”についても考えてみます。地理的なことを考えると安易ではありますが、小豆=小豆島ではないでしょうか?
小豆島について文献に見える最古の記録は『古事記』の国産みの段で、イザナギとイザナミのまぐわいにより「小豆島」(あずきしま)とされています。
イザナギとイザナミはスサノオ、そしてオオゲツヒメの両親になります。
ここにも何らかの関係性を感じますね。
線香づくり日本一の淡路島
少々強引ではありますが、淡路島についてです。
先の小豆島は香川県ですし、淡路島は兵庫県で、近代のでは異なる行政区ではありますが、大和朝廷に食料を送り届ける大事な土地として機能していたのではないかと思います。
そして、この淡路島は線香づくり日本一の島として有名です。
日本最古のお香の記録は歴史書・日本書紀に記されていて、 推古3年(595年)、現在の淡路島に流れ着いた大きな流木を薪にして火にくべたところ、えも言われぬ香りが辺り一面に漂ったそうです。 びっくりした島民がすぐさまこの流木を献上したところ、
この香りを嗅いだ聖徳太子が「沈である」とお答えになったそう。
この日本書紀のエピソードがお香に関する日本最古の記述ではありますが、仏教が日本に渡来したのが538年とそれより60年ほど遡り仏教儀式にお香は欠かせないところから考えると、実際の日本のお香の歴史は早くから始まっていたのではないかと言われています。
古より、お香は供える人の身と心を清浄にし、その香りが隅々まで行きわたるところから仏の慈悲をたたえるためのものといわれ、生活や慣習とともに伝わったことの歴史的な証左と言えますね。
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