アラブのお香専門店|From The GULF アラブのお香専門店:From The GULFでは、オーナーが自ら現地で厳選した、新しくも癖になるアラブのお香「Bukhoor(バフール/バクホーラ)」と香炉を取り扱っております。天然素材を使用し、雑味のない上質な香りが長く続きますので、おもてなしやリフレッシュなど、様々なシーンでお楽しみ頂けます。

かおり風景100選・東北⑬【須賀川牡丹園の牡丹焚火】

須賀川牡丹園の牡丹焚火

樹齢200年以上の古木牡丹290種7,000株が咲き、かおりが園内に広がる。

また、天寿を全うした牡丹の枯木を供養する「牡丹焚火」で、ほのかなかおりが漂う。

俳句歳時記の季語にもなっている牡丹焚火は、年中行事となっている。

国指定名勝に指定されている。

所在地は福島県須賀川市、かおりの源は赤松、牡丹、枯死した牡丹古木の焚き火、11月第3土曜日に楽しむことが出来ます。

(環境省:https://www.env.go.jp/air/kaori/ichiran.htm)

 

2001年度に環境省が広く一般に呼びかけて選定し、紹介している全国各地の100事例です。

環境が嗅覚を通じて人に影響することについて、単に悪臭公害を防止することだけに着目するのではなく、日本の自然や伝統・文化に係わる「よいかおり」を保全することを通じて、環境の快適性を確保・創造することを目的としています。

環境省のHPを中心に、かおり風景100選に該当する自治体からの抜粋などを紹介させていただきます。

 

 

牡丹焚火

国指定名勝「須賀川牡丹園」内において、天寿を全うした牡丹の古木や折れた木を供養する行事です。

大正時代初めに、俳人でもあった園主が地元の親しい俳人たちを招いて行っていたものが今に受け継がれています。

夕闇の中に、かすかな香りを漂わせながら燃え上がる青紫色の焔は、牡丹の精を思わせ、余情的な雰囲気を醸し出します。

(那須川市HP:https://www.city.sukagawa.fukushima.jp/kanko_sukagawa/kanko_event/1006178.html

 

 

須賀川牡丹園の由来

始まりは、栁沼牡丹園と呼ばれていた大正時代初め頃にさかのぼります。

園主だった栁沼源太郎は、栽培管理の傍ら俳句を嗜み、俳号を破籠子(はろうし)といいました。

当時、栁沼家では園内から出る牡丹の古木を供養するため、地元の親しい俳人らを招いてひっそりと焚いていました。

吉川英治は、小説「宮本武蔵」風の巻”牡丹を焚く”に牡丹焚火を取り上げ、武蔵が牡丹の木で暖をとる情景を細やかに描写しています。

これは「宮本武蔵」を執筆中の吉川英治が、須賀川に訪れた時に園主・源太郎が、牡丹の木を焚いた光景に思い入れを強めたところから執筆したといわれています。

須賀川の牡丹の木のめでたきを炉にくべよちふ雪ふる夜半に (北原白秋)

北斗祭るかむなき心牡丹焚く (栁沼破籠子)

煙なき牡丹供養の焔かな (原 石鼎)

手を帯に牡丹焚火に立たれしが (矢部榾郎)

牡丹焚火・牡丹供養の例歌・例句が多く詠まれています。

 

 

牡丹トリビア

「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」「天香国色」「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」「ぼうたん」「ぼうたんぐさ」などの別名があるようです。

元は薬用として利用されていたが、中国では盛唐期以降、牡丹の花が「花の王」として他のどの花よりも愛好されるようになりました。

中国文学では、詩歌に盛んに謳われています。

日本文学でもに登場したのは『枕草子』が最初で(「殿などのおわしまさで後」の条)、8世紀には栽培されていたようです。

夏、初夏の季語ですが、牡丹の芽は春、初春の季語、狐の牡丹は晩春、牡丹焚火は初冬、冬牡丹、寒牡丹、冬の季語となっています。

短歌、俳句のみならず、絵画でも多く牡丹を題材としたものが見られ、多くの文人墨客が牡丹を愛し、描いてきました。

狩野山楽「牡丹図」(安土桃山時代、大覚寺宸殿・牡丹の間の襖絵18面、重要文化財

葛飾北斎「牡丹に蝶」

速水御舟「牡丹」、「墨牡丹」 等が代表例です。

 


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