「三匹の虫」
直感を信じること
霊感など全くなく、今までに幽霊など一度も見た事がない方でも、「虫の知らせ」という不思議な体験をしたり、「虫の知らせ」感じたことはあるのではないでしょうか？
特に言われるのは、「するはずのない匂いがする」というものです。
大抵の場合、良い香りの場合は良いことが起こる前触れ、嫌な臭いの場合は、良くないことが起きる前兆だったりします。この虫の知らせは、なぜ起きるのか？
勿論、科学的な根拠はありませんので、悪しからず…。
人智を越えた部分で見えない存在が働きかけているとか自分の潜在意識が教えてくれているという説や、太古の時代は全ての人間が持っていた第六感（霊感、霊聴、霊視など）が時代と共にいつしか退化した説など枚挙に暇はありません。
私達が認識している現象は本当にごくわずかなことで、もっとこの世には未知なることがあり、何気なくする「けが」にもサインがあると言われます。
特に足をぶつける場合は今は動くときではない、足の爪先にけがした場合は間違った方向に進んでいることを知らせているそうです。
右側にするけがは仕事や社会に問題があり、左側にけがをするときは家庭内の問題なんだとか。
現実に見えていることが10％に満たず、残りの90％以上は見えないスピリチュアルな世界を垣間見るとき、それを認める素直さがあるかどうかが大切とのことです。
虫の知らせまでいかなくとも、「なんとなくやりたくない」「行きたくない」「どうしてもこれを見たい」そういう直感も大切で、勇気を持って好きなことを好きな物を選ぶ習慣が大切とのこと。気になったときはいったん深呼吸をして今の現状を考えてみるといいかもしれません。
勘の正体
そもそも、この「虫の知らせ」の虫って何なんでしょうね？
「虫の知らせ」ばかりでなく、「虫がいい」とか「腹の虫がおさまらない」なんていう言い方もしますよね。
これって元々は道教の考え方で、人間の体内には、三尸（さんし）とか三虫（さんちゅう）と言うらしいんですが、生まれた時から体内には三匹の虫が棲んでいると考えられているのだそうです。人間が60日に一度めぐってくる庚申（こうしん）の日に眠ると、この三尸（＝三匹の虫）が体内から抜け出して、天帝にその宿主の罪悪を告げ、その人間の寿命を縮めるという信仰なんだそうです。これが平安時代に貴族の間に広まって、江戸時代になると民間に伝わったらしいのです。
英語では「虫の知らせ」を単語として表すと「premonition 」（pre- の部分が「前」で、-monition の部分が「警告」という意味なので、「前に来る警告」、つまり、「予感」とか「予兆」）や「presentiment」（pre- がやはり「前」で、-sentiment が sense と同じ仲間で、英語の feel という意味で「前に来る感覚」、つまり「虫の知らせ」）などがあります。
面白いのは、文章として「～という」虫の知らせがあると言った場合はhave a hunch …
と言うようで、「hunch」は「瘤（こぶ）」という意味で、腕曲げた時に出来る「ちからこぶ」のコブです。日本では「虫」にたとえ、英語は「こぶ」に例えています。
What’s your hunch?を直訳すると「君の瘤は何？？？」になる訳ですが、実際には「勘で選ぶとするならどれ？」になります。
「〇〇臭い」は危険回避のポジティブシグナル
「胡散臭い」とか「きな臭い」とか感じる場合も、人間が生存するために絶対的な直接感覚である「嗅覚」と関係があるのかも知れません。
「胡散」は怪しい、疑わしいという意味を持ち、断定はできないけれど何となくそんな感じがする、という意味の「臭い」をつけ、「胡散臭い」という形容詞が生まれました。
「胡散臭い」と同じく「臭い」を使った言葉の「きな臭い」も、もともとは物が焦げるにおいを指す言葉でしたが、「なんとなく怪しい、事件の起こりそうな気配がする」という意味として使われています。「疑わしい」という点では「胡散臭い」と同じですが、事件性があるところがこの言葉の特徴です。
意外と、三匹の虫は、素直な人間が大好きで、リスクマネージメントの能力に優れ、匂いに敏感なんでしょうね（笑）
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