易経という学問【運命とは何か】
思想学問
「易経」は、古代中国の周の時代から発達し、春秋時代から戦国時代を経て漢の時代に至り、その体系が完成されたとされています。
極めて長い歳月を通じて得た統計学的研究によって、天地自然と人間の関りについて纏め上げられたものとも言えます。
単なる占いの領域に属するものではなく、古代より脈々と受け継がれながら変化を遂げてきた、宇宙・人間の実体、本質、創造、変化を探求した思想学問に他なりません。
「運命」を「宿命」と捕らえず「立命」として捕らえる生き方においては、運命を切り開く上での有効な手法と考えられています。
運命と宿命と立命
運命の中に、「宿命」と「立命」がという意味が含まれます。
運命の「運」は、創造や進化してやまない、という意味合いがあり、それゆえに「運命」という言葉は、”動い てやまない”という意味を含んでいます。
世間一般に、「これも運命だ」というように、「運命」は固定的、既に決まっていることのように思われていますが、文字を見ると「命を運ぶ」と書くことからも明らかなように、変えることができるものです。
宿命の「宿」は、宿ると言われるように、止まる、固定されているという意味があります。
昭和の思想家、安岡正篤氏曰く、
「人間は母の体内から出て、呱々の 声をあげた瞬間に一生のことがきまっておるのだ、その後の人生、すなわち次第に成 して、花を開き、実を結ぶ、あるいは嵐にあって全うできず、中途で滅びるなどの ことが、きまりきっているというふうに考えるのが宿命であります。」
宿命とは変えることのできないものとして定義されているようです。
立命とは、宿命と異なり、
「自然の法則・理法を知って、自分の人生をそれに従って、意志で開拓していくべきもの、自主創造していくべきもの」
を指しているそうです。
つかえる
『易経』には「積善の家には必ず余慶有り。積不善の家には必ず余殃有り」という教えがあります。
善行を積み重ねた家にはその功徳により幸せが訪れ、不善を積み重ねた家にはその報いとして災難がもたらされることを説いています。
そして、よき運に恵まれるとよき運を持った人との縁にも恵まれ、よい出会いがさらによい結果をもたらされていきます。
日々の生活の中で善を積んでいくことが非常に大切であると理解できますな。
積善の基本となるのが日々の仕事で、仕事という言葉を構成する「仕」も「事」も、訓読みすれば「つかえる」であり、働くこと自体が世のため人のために尽くすこと、善を積むことに通じていると考えられるのではないでしょうか。
「未来をより良く生きたい」と誰もが思うはずです。
易占に際して、自らが「どうしたいのか」「どうありたいのか」「何を行なうのか」ということを考えながら臨むことで、未来は決定されていくとされています。
易の思想は、どんな運気の流れにおいても、自分の強い意志を以て、悠々と生きていく智慧を教えてくれるものだと考えられています。
自らが善き運をしっかり引き寄せていると考えて行けるようになりたいですね。
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