かおり風景100選・東北①【尾上のサワラの生垣】
2001年度に環境省が広く一般に呼びかけて選定し、紹介している全国各地の100事例です。
環境が嗅覚を通じて人に影響することについて、単に悪臭公害を防止することだけに着目するのではなく、日本の自然や伝統・文化に係わる「よいかおり」を保全することを通じて、環境の快適性を確保・創造することを目的としています。
環境省のHPを中心に、かおり風景100選に該当する自治体からの抜粋などを紹介させていただきます。
尾上サワラの生け垣
春から夏にかけて、町内のサワラでできた生垣を刈り込むかおりがする。
古くから植木の町として有名で、町では生け垣を守り育てる条例を制定し、生け垣作りに対し補助金を出し、生け垣による緑ゆたかな景観の推進と保全に取り組んでいる。
また、町では、年1回、旧家等の庭園や手入れの行き届いた民家の庭園を見学するツアーを開催している。
所在地は青森県尾上町、かおりの源は生け垣のサワラを刈り込んだときのかおり、季節は春から夏。
とあります。
(環境省:https://www.env.go.jp/air/kaori/ichiran.htm)
平川市
平川市は、青森県南部、津軽平野の南端に位置し、東は十和田湖を境にして十和田市、秋田県小坂町、西は平川を隔てて弘前市、大鰐町と接し、北は、青森市、黒石市、田舎館村、南は秋田県に接した錨型をなしています。
名称は、旧3町村を流れる岩木川の支流・平川に由来します。旧碇ヶ関村と旧平賀町は境界を接しているが、その境界線は山地で道路が通じていないため、旧碇ヶ関村地区は実質上の飛地となっています。
その総面積は346.01平方キロメートルで、津軽平野の一部で農業に適した肥沃な土壌の地質のため、平坦地は水田、丘陵地は水稲とりんごの複合経営地帯です。
気候は日本海型気候ですが、東に八甲田山、西に岩木山など四方山々に囲まれていることから1年を通じ温暖で、温度差も少なく県内では恵まれている地域です。
緑が多く、人々が快適な生活を送れる自然環境を保っており、四季の移り変わりが美しく、また、自然災害も比較的少ないところでもあります。
尾上地域(旧尾上町)は、生け垣や庭園など生活の中に緑が多い地域で全国でもめずらいしい「ふるさと尾上町の生け垣を守り育てる条例」を平成4年に制定し、緑の保存に力を入れています。
尾上地域(旧尾上町)のあゆみ
現在に至るまで津軽の穀倉として栄え、良質米多収地として名を馳せた他、りんごも主要な生産物となっています。
昭和40年代に急成長してきた産業がホーキ、ござなどの製造業や植木・造園業で、なかでも植木・造園業は、高度成長に比例してどんどん伸び続け、今では地域を代表する主産業までに成長しました。
また、古くから植木の町として知られ、国指定名勝「盛美園」をはじめ、各家庭にも立派な庭や生け垣を多く見ることができ「緑」にこだわった景観整備、地域づくりを進め、「かおり風景百選」の他、「農村アメニティ・コンクール優秀賞」、「農村景観百選」にも認定されています。
(平川市HP:https://www.city.hirakawa.lg.jp/home.html)
サワラ
本州の北部から九州北部にわたって分布し、木曽、飛騨などの中部山岳地帯が有名です。
一般的にはヒバと呼ばれ、生垣用に植えられています。
木材として、ヒノキと近縁ですが、その芳香は異なります。
年輪はややわかる程度で、肌目は精です。気乾比重は0.28~0.34(平均値)~0.40で軽軟な木材です。
耐久性は中庸ですが、水湿によく耐え、加工は容易で、とくに割り易く加工が容易であるために、普及品風呂桶や手桶飯びつなどに多く使われていました。